買う気にさせるAIDCAS(アイドカス)の法則
2009年2月26日
こんにちは。グリーゼの こみやまたみこ です。 今回は、 「それはベネフィットではなく、ベネフィットの根拠です」 (2009年1月22日発行)の続きです。 前回は、産地直送の林檎を販売されているNさんの、 「よくわかんないけどさぁ、要は全部載せときゃいいんだろ? 確かに、うちの商品ページのトップ写真は、生産者さんだし、 “栃木の太陽と大地の恵み”っていうコピーも入れてるけど、 買い物カゴの横には、ちゃんと蜜たっぷりの写真も載せてるんだから、 それでちゃんとベネフィットは伝わるんじゃないの?」 という質問に対して、 「ところが、そうではないのです。」 と回答したところまででしたね。 今日は、“そうではない理由”についてご説明しましょう。 まずは、こんな場面を思い浮かべてみてください。 ここは、スーパーマーケットです。 お店の奥から、お肉が焼ける美味しそうな匂いがしてきましたよ。 さっそく、行ってみましょう! ──────────────────────────── おばさんは、ここで何を売っているのでしょうか? ──────────────────────────── 奥の売り場に行くと、おばさんがホットプレートで焼いたばかりの 焼き肉を、サンチュで包んで通りがかりの買い物客に渡しています。 「はい、どうぞ~。美味しいよ~。 どんどん食べていってね~。」 思わず近づいていくと、 「はい、お姉さん、食べて食べて~。」 (おばさんは、相手が女性なら誰でも、お姉さんと呼ぶのです) と、焼き肉のサンチュ巻きをお皿に乗せてくれました。 「ありがとうございます。どれ・・・おっ・・・ これはなかなか・・・(モグモグ) ビールが進みそうな・・・(モグモグ)」 ★さて、ここで問題です。 おばさんは、ここで何を売っているのでしょうか? お肉? サンチュ? 確かに、それもありえますね。 でも、このおばさんが売っていたのは「焼き肉のタレ」だったのです。 試食を大盤振る舞いした後のおばさんの話は、 こんなふうに続きました。 「お姉さん、どう? 美味しいでしょ。 このタレはね、使ってるお酒も醤油もニンニクも生姜も玉ねぎも リンゴも、み~んないいやつを使っててね、 しかも、自家製の味噌や、秘伝の薬味や香辛料を混ぜ合わせて 一本一本手作業で仕込んでるんだよ。 もちろん、合成保存料とか化学調味料なんかは、一切使ってないよ。 今食べてもらったのが、辛口ね、 で、こっちが生姜味。 辛いのが苦手なお子さん用には、甘口もあるからね~。 ほら、そこのお嬢ちゃん、食べていってね。 ここのスーパーはね、期間限定で来てるの。 でもあちこち呼ばれてるから、ここは明日で最後。 次は、いつ来れるかわからないからね~。 美味しいと思ったら、買ってってね~。」 ★さて、ここで次の問題です。 おばさんは、なぜ「すごくいい材料だけを使ってる」等の 商品のウンチクを先に語ってから試食させるのではなく、 先に、試食をさせてから、商品説明をしたのでしょうか? 林檎屋のNさん、わかりますか? ──────────────────────────── ポイント1「聞く気になってから、話す」 ──────────────────────────── Nさん 「そりゃウンチクを先に語られたって ほんとに美味しいかどうかなんてわからないし、 買い物してる人も忙しいだろうから、 人の話なんて、ちゃんと聞くわけないでしょう」 私 「でも、試食した人はみんな、足をとめて、 おばさんのウンチクを熱心に聞いてましたよ」 Nさん 「だから、それは、食べてみたら美味しかったからでしょ? おっ美味しいなコレ、何が違うんだろって思ったから 聞く気になったわけで、 聞く気になる前に話されるのと、 聞く気になってから話されるのは、全然違うでしょ」 そう、その通りなんです。 「人は興味を持たないと、話を聞いてくれない」 (Webサイトに置き換えると、「文章を読んでくれない」) だから、話す順番・・・Webサイトでいうと情報を見せる順番が と~っても重要なのです。 じゃあ、何を一番先に話せば(見せれば)よいかというと、 そう、「ベネフィット」です。 まずは、この商品がいかに「あなたにとって」利益があるかを伝える。 おばさんは、 「この特製焼肉のタレを使うと、 普通のお肉でも、とたんにこんなに美味しくなっちゃうんですよ」 ということを最初に、 しかも「コトバで」というよりは「五感」に訴えかけていましたよね。 試食をした時には、味・・・味覚はもちろん、 視覚、聴覚、嗅覚などもフル稼働していたはずです。 五感をつかさどっている右脳のほうが、 言語をつかさどっている左脳よりも 数倍も情報処理スピードが速いと言われています。 ですから、五感に訴えかけることで、 100の言葉を費やすよりも、はるかに速く的確に 「ベネフィット」を伝えることができるんですね。 これは、Webサイトの場合も同じです。 だらだらと文章で説明をするのではなく、 五感に訴えかけるような写真とキャッチコピーで ベネフィットを伝え、 まずは、直感的に「興味を持ってもらう」ことが 最も重要なのです。 ──────────────────────────── ポイント2「お金を払う直前になると、不安になる」 ──────────────────────────── 私 「さて、伝える順番の話でしたね。 最初に、お肉を試食させて“ベネフィット”を伝えて、 おばさんは、その次になんて言ってましたっけ?」 Nさん 「すごくいい材料だけを使ってるって言ってたな。 そうそう、つまり“ベネフィットの根拠”だな!」 私 「そうです~、よくわかりましたねっ! 前号でお話したように、“ベネフィット”が先にあって、 “ベネフィットの根拠”が次に来る。 すると、なるほど~だから美味しいのか!と納得するわけですね。 で、おばさんの話は、それで終わりでしたっけ?」 Nさん 「添加物のこととか、子ども用があるとかも言ってたような」 私 「それって、何について説明してたのかわかりますか?」 Nさん 「???」 私 「試食して、なぜ美味しいのかという根拠を聞いて、 なるほど!じゃあ買おうかなとなったときに、 人ってなぜか、お金を払う直前になると、 “でも、こういうのって意外と化学調味料をどっさり使って 味を整えてるんじゃないの?” とか “ちょっとピリッとしたけど、うちの子食べられるかしら?” とか 買うのをためらうような心配とか不安とかを感じるでしょう?」 Nさん 「そう言われればそうだな。 オレだって、ホイホイ買ってきてハズレだったら、 カーチャンに怒られるから、買う前にいろいろ聞くと思うよ。」 私 「そうでしょう。つまり、お肉を焼いてたおばさんは、 そういう心配や不安を取り除く内容についても ちゃんと説明していたわけですね」 Nさん 「そう言われてみればそうだな。 心配や不安について、ちゃんと説明してもらわないと、 気になってても、買うところまではいかないかもしれないね。」 私 「そうそう。だから、心配や不安を取り除くことも とっても大事なんです! そして、心配や不安を取り除いた後、 最後になんて言ってましたっけ?」 Nさん 「このスーパーには、明日までしか来ないって」 私 「そうなんですよ~、 そんなこと言われたら、思わず買っちゃうじゃないですか~」 Nさん 「ずいぶんいっぱい買ってたね(笑)」 私 「だって、次いつ買えるかわからないじゃないですか~(汗)」 ──────────────────────────── AIDCAS(アイドカス)の法則 ──────────────────────────── それでは、ここで、私に焼き肉のタレを6本も買わせた(実話です) おばさんの絶妙トークについて、もう一度おさらいしてみましょう。 お肉を焼いているおばさんの説明は、 こんな順番になっていましたね。 1)ベネフィットを提示して、興味をひく ↓ 2)ベネフィットの根拠を説明して、欲しくさせる ↓ 3)心配や不安を取り除く説明をして、買っても失敗しないと確信させる ↓ 4)背中を押して、買わせる これは「たまたま」おばさんがこういう順番で話したのではなく、 これが「買う気にさせる」ための商品説明の順番なのです。 おばさんが考えたわけではなく、私が考えたわけでもない、 「AIDCAS(アイドカス)の法則」と呼ばれている 商品の購入プロセスモデルです。 Attention(注意) |















